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一枚絵で書いてみm@ster第二回作品


 遅くなりましたが一枚絵で書いてみm@ster第二回作品です。
 取り急ぎ文章のほうのみで……一段落したら一枚絵も挿絵として掲載します。申し訳ありません。 


 一枚絵で書いてみm@ster第二回作品:掌の雪だるま


 続きからどうぞ。







 
 俺は夢を見ていた。
 
 そう、こんな夢。
 
 
 ・ ・ ・

 
 都内でこんな風景、見たこと無いぞ。
 それが第一印象の雪景色。
 降り積もる雪のせいで普段の喧騒がかき消され、見回す景色がすべて肉付けされたように大きく見えた。
 
 でも実際に見えた景色が765プロの事務所とそれらを覆う建物の群れ。
 そして……。 

 「もう……こんなことでステージ用のアクセサリー使うなんて、子供ね」
 見下すような、でも刺々しさは薄れている視線。あれは伊織だ。
 「そんなこと言ってー。私が作った雪だるまを見て『頭に何かのっていないと寂しいわね』って言ったのは誰だったっけー?」
 伊織の声真似をし、自身の言葉で問いかけたのが春香。
 雲の上に立っているように柔らかい雪の上に彼女らはいた。
 
 そして言い合う二人の前に鎮座するのは、笑みを浮かべた雪だるま。
 頭上で銀色に光るはステージ用のアクセサリー、お姫様ティアラ。
 ……なるほど、この二人は作った雪だるまの頭上にのせるものを探していたわけか。

 「だからってステージ用のアクセサリーを持ってこなくてもいいでしょう!」
 おいおい、もう声を荒げるのか伊織。
 「プロデューサーさんからは許可もらったよ?だから問題なし!」
 やれやれ、いつ俺が許可をだしたんだ春香。

 
 
 にしても、だ。



 こういう時、常識的というか逆に子供らしくないというか。伊織は少々堅い気もするな。
 普段の俺はプロデューサーとして見てくれているのかいないのか、そこら辺の判別がしにくい扱いを受けている。 
 型枠にはまった大人心と柔軟すぎる子供心。
 この歳の子は自身の思いの変化に揺られやすいのかな。なんて考えに浸りだす。

 逆に春香は遊んでいるときはまるで幼い子供のようだな。
 労いの言葉をかけながら一杯のコーヒーを運ぶ姿を見る俺は、気遣いのできるしっかりした子という印象が強い。
 遊びの精神を忘れない子供心と正すときは正す大人心。
 この歳の子は自身の思いが固まってきたのかな。なんて感慨に更ける。

 「ちょっと!?向こうから歩いてくるのってプロデューサーじゃない?春香、許可もらえたってのは嘘だったのね!!」
 「わわわっ……と、透明のプロデューサーさんに許可をとったんだよー?」
 伊織の有無を言わさぬ詰問に、有無よりひどい言い訳を重ねる春香。
 
 まったく、お前らは、なに、してんだ、よ……。


 ・ ・ ・


 おおよそこんな夢だった。

 「あんな大雪、降るわけないよな」
 
 一人昼寝会場である765プロの自身が使っているデスクでごちる。そう、ごちたんだ。
 俺としては真っ白な人が埋まってしまいそうな雪の中へでて、遊びたい。飛び出したい。
 いくら幼いと言われようが俺はアイドルの子たちを全員外へ出して遊ばせるぞ。もちろん、仕事があれば話は別だが。
 だけど実際には降ってくれない。
 降ったら降ったで交通網がやられて俺は嘆くだろう。
 
 でも遊ぶぞ。
 至極当然、俺は雪が好きだから。 

 「こうなりゃてるてる坊主でもかけてみようか」
 雨の神様に雪を頼むのもどうかと思うが頼れるのはこれしかない。
 半ば本気で思っていた。

 「……サーさ……!」

 どこからか声が聞こえる。
 俺の夢の余韻か。
 しかし俺の中で鳴り響いていたのは俺の声。こんな女の子のように高い声ではない。

 「プロ……サーさん!!」

 さっきよりも張り叫んだかのような声。どこからだ。
 室内で響く声ではなかった。俺は窓を開けようと音を立てて椅子から立ち上がった。

 窓を開ける。勢い良かったのか、枠にぶつかり窓が少し跳ね返ってきた。
 窓から見下ろす。声の主は春香だった。隣には伊織もいる。
 そして彼女らの手のひらに座っていたのは、夢とは対照的な小ぶりの雪だるま。 
 
 「プロデューサーさん!雪ですよ!雪!」 
  
 雪に驚くより、二人で雪だるまを作ったことに驚いた。
 だって夢の内容だと春香だけが雪だるま作成に力を注いだはず。
 なのに小ぶりとはいえ、しっかり伊織も作っている。
 
 「その雪だるまは誰が作ったんだー?」
 春香に負けないであろう声量で彼女らに問う。
 「最初は私が作り始めたんですけど、やっぱり誰かと一緒に作りたくって!伊織を誘ったら嬉しそうに作ってくれました!」
 「ちょっと、それじゃあ私がまるで子供みたいじゃない。私は春香が寂しそうだから付き合っただけなんだから」

 隣で説明する春香に文句をいう伊織。
 表情は違えど、二人は雪だるまを大事そうに掌に収めたままだった。

 「そこで待ってろー!俺も行くー!」

 遊びたい一心で俺も外へ向かう支度をする。
 
 なぁ伊織。お前、本当は遊びたかったんだろ。
 なぁ春香。お前、伊織の気持ちを察したんだろ。

 子供で大人なお前たちへの、夢から生まれた問いを持って俺は、外に飛び出した。



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COMMENT

「一枚絵で書いてみm@ster」参加中の月の輪Pです。

遊びたい……そんな欲求が見せた白昼夢が現実になったとき、プロデューサーが子犬のように走り出すのが爽快でした。降り始めの美しさとトキメキは大人も関係ないですよね。童心を刺激されるSSでした!

2010.03.08| URL| 月の輪P #VFkxEMUo [編集]

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